ディジタル信号処理I  小堀 聡


講義概要:
 アナログ信号の処理と対比しながら,ディジタル信号の表現やディジタル信号処理を行うシステムの表現法,ディジタル信号処理の方法などについて講義する.

前提となる知識:
 フーリエ級数,フーリエ変換,ラプラス変換などの知識を必要とする.

成績評価方法:
 期末試験のみ(出席チェック,レポートなどはなし)

教科書:
 酒井英昭 編著「信号処理」(オーム社)

参考書:
 Hwei P. Hsu 著,村崎憲雄 他訳「マグローヒル大学演習 信号処理1,2」(オーム社)
 佐藤幸男 著,「信号処理入門」(オーム社)
 中村尚五 著,「ビギナーズデジタルフーリエ変換」
 (東京電機大学出版局)
 小畑,幹 著,CAIディジタル信号処理(コロナ社)


授業計画

ディジタル信号処理の概念とその手法について述べる.
1.信号処理とは
2.アナログ信号の基底表現と変換
3.離散時間信号とそのフーリエ変換
4.サンプリング定理
5.z変換
6.z変換とその他の変換の関係
7.線形差分方程式
8.線形離散システム
9.線形離散システムの周波数応答
10.離散フーリエ変換
11.シグナルフローグラフ
12.FFT
13.ディジタルフィルタ
14.s−z変換

※4/30と6/25は休講,1〜2コマ補講の予定

Webページ(http://milan.elec.ryukoku.ac.jp/~kobori/resume.html)で,講義ノートや関連情報を公開する予定なので,そちらも参考にしてほしい.

信号処理の分野

 音声処理,画像処理,医療,気象,経済...

 数学的基礎が必要


授業のゴールとサブゴール

  正規直交基      ベクトル
    ↓         ↓
 ○正規直交関数系    関数
    ↓
  フーリエ級数展開     周期
    ↓           ↓
 ○フーリエ変換       非周期  アナログ
    ↓                 ↓
  離散フーリエ変換(DFT)     ディジタル
    ↓
 ◎高速フーリエ変換(FFT)
    ↓
  線形予測モデル法(AR)
    ↓
  Z変換
    ↓
  システム解析


1.基本的事項

信号の分類

 不規則信号 ← 解析の対象

 確定信号
  周期信号
   例:正弦波,方形波,のこぎり波,三角波
   
  孤立波(パルス信号)


スペクトル解析

  時間領域 → 周波数領域


アナログ・ディジタル変換

  アナログ信号 →  ディジタル信号
 (連続的な信号) (数値で表される信号)

離散化
 標本化:時間軸についての離散化(サンプリング)
    (変数のある区間の値を一つの値で代表させる)
 量子化:測定値に対する離散化

サンプリング定理
 どのぐらいの周期(周波数)でサンプリングすれば,
 原波形を再現できるか?


2.ベクトルによる表現

関数とベクトル
 関数:
 n次元ベクトル:

 n次元空間 → 関数空間
     (n→∞)


2次元ベクトルの距離と内積
 
 

ベクトルの大きさ(ノルム)
 

の距離はの大きさ
 


ベクトルの内積
 
 

 -1≦r≦1 r:相関係数
  θ=0 r=1
  θ=90°r=0
  θ=180°r=-1


要素を使った表現
 
 

正規直交基
 直交基:直交したベクトルの組
 正規:大きさ1(単位ベクトル)

 
 2次元のベクトルはすべてこの式で表現できる

 係数の求め方