5.フーリエ級数展開の性質

基本波と高調波

 フーリエ級数展開
 
 において,の部分を基本波,
 の部分を
 第2高調波,第3高調波…と呼ぶ.
 また,の部分は直流成分に相当する.

 フーリエ級数展開は,周期信号を表す展開の方法

偶関数と奇関数

 偶関数:t =0の軸に対して左右対称な関数(例:
 奇関数:原点に対して点対称な関数(例:

 偶関数のフーリエ級数はcosの項のみで表され,
 奇関数のフーリエ級数はsinの項のみで表される


区間の一般化

 基本区間に一般化する(をかける)と
 フーリエ級数展開は,
 
 となり,とすると
  
 のように表現される(式(2.2)と同じ)

 フーリエ係数は
 
 
 と表される(式(2.5),式(2.6)と同じ)


6.複素フーリエ級数展開
※複素数についてはp.7〜8
 という関数系を調べる
  

 のとき
 


 のとき
 

 
 よって,は区間
 正規直交関数系をなす
 すなわち,任意の関数は区間
 この関数系で展開できる


 複素フーリエ級数展開は
 
 のように表現され,フーリエ係数
 

 基本区間に一般化する
 とすると
 
  (式(2.14),式(2.15)と同じ)


複素フーリエ級数と実フーリエ級数の比較
 より
 
 

 フーリエ係数は複素共役の関係にある
 
 したがって
 
 

スペクトルの定義
 振幅スペクトル
 
 位相スペクトル
 
 パワースペクトル
 

 スペクトルは離散的であることに注意


 複素フーリエ係数は,振幅と位相により
 
 と表現できる
 よって,関数も,振幅と位相により
 
 と表現できる

 フーリエ係数が複素数なのに,実数の関数
 表現できる理由:
 


複素フーリエ級数展開の例(p.10〜p.12)

 例2.3の類似例
 
 
 のとき
 

 のとき
 


偶関数と奇関数

 関数が偶関数の場合は,複素フーリエ係数の
 虚部はすべて0,奇関数の場合は実部がすべて0
 となる

パーセバルの等式 p.10
 
 
 時間領域でも周波数領域でもパワーの総和
 は等しいことを示す

ギブスの現象 p.11

 フーリエ級数展開では,次数を上げるほど,
 元の信号に対する近似は良くなる
 しかし,不連続点付近では,次数を上げても,
 振幅は小さくならない