9.離散的フーリエ変換(DFT)

 

 として,時間軸を離散化すると

  (*は離散関数を示す)
 
 実際に観測できるのは有限の長さのデータであるから
 データの個数をとすると

 
 
 となるから
  
 
  

 とおくと


   (式(4.14)と同じ)

 また,この逆変換は

   (式(4.15)と同じ)

 以上が離散的フーリエ変換および
 離散的フーリエ逆変換の定義である

 時間関数と周波数関数はともに有限の範囲内で
 離散的な数値列が得られる


10.DFTの性質

 周期性
  
  
  周期的であり,その周期がであることを示している

  (証明)
  
  であるが,は整数であるから
  
  となり
  
 

 対称性
   あるいは
  
  共役対称であることを示している

  (証明)
  

  を実数部と虚数部に分けて
  とおくと
  共役対称であることから

   
   
  
  実数部は偶関数,虚数部は奇関数になる

  これらをまとめると
  


 振幅スペクトル
  

 位相スペクトル
  

 パワースペクトル
  


  負の次数のスペクトルは
  からに現れる

  振幅スペクトルおよびパワースペクトルは
  を中心として左右対称である


 パーセバルの等式

   

  連続フーリエ変換と同様に成り立つ
11.高速フーリエ変換(FFT)

 DFTの計算の問題点

  

  この式から1つのを計算するのに,回の
  乗算と加算を必要とし,個のを求めるには
  の2乗の演算が必要となることが分かる

  FFTのアルゴリズムでは,の周期性を利用して
  DFTの計算量をのオーダーまで減らすこと
  ができる(CoolyとTukey,1965年)


 DFTの解析

  回転因子を以下のように定義する
     (式(4.17)と同じ)

  回転因子には,以下の性質がある
   対称性:
   周期性:
   
  回転因子を用いるとDFTの式は
     (式(4.16)と同じ)

  N=8の場合に,この式を行列で表現すると

  

  まともに計算すると,乗算:64回,加算:56回


  回転因子の周期性から,mを整数として
   
   
  という規則性が見出せる

  これは一般的には
   
   
  と表現できる


  この規則性を用いると

  

  さらに,これらの規則性を見出していく必要がある