20.z変換と他の変換との関係

 z変換とフーリエ変換の関係

  z変換において,数値系列が有限で個である
  とすれば
   
  は
   
  となる

  ここで,平面の単位円上を等分し
  各サンプル点
   
  でのを求めると
   
  これは,離散的フーリエ変換の式に一致する


 フーリエ変換とラプラス変換の関係

  においてとなる信号を考え 
  が絶対可積分であるとすれば
  そのフーリエ変換が存在し
    
  となる

  ここで,とおけば
   
  と表現される
  これをのラプラス変換という

  一方,逆ラプラス変換は
   
  と定義される


 z変換とラプラス変換の関係

  サンプリング周期をとし,に対して
   
  となる複素数zを導入する
  すなわち,平面の左半分の点を平面の
  単位円内に写像する変換となる

  ここで,zの大きさと偏角は
   
   

  これより,平面の虚数軸上の区間
  は,対応する平面の単位円周上に
  写像される

  さらに
   
  であるから,ωの区間がは整数)ずれても
  同じ単位円上に写像される


21.線形システム

 という入力系列に対する
 出力系列がであるとする
 このようなシステムをで表すとすると
 
 と表現できる

 線形性

   
   
  が成り立つとき
   
  が成立するシステムを線形システムという

  すなわち,重ね合わせの理が成り立つことを
  意味する


 時不変性

   
  を満たすシステムを時不変システムという

  時間的に平行移動した相似形の入力に対する出力は
  同じ時間だけ平行移動した相似形の出力となる
  システムは時間ともに,その性質が変化しない
  ことを意味する

 因果性

  なるnに対してであれば
  は因果関数であるという

  因果関数の入力に対して,出力が因果関数となる
  システムを因果システムという

  すなわち
   のときならば
   となる
 
  入力がないのに,あるいは,入力が入る前に
  その出力が生じることはないことを意味する


 システム関数

  入力系列と出力系列をそれぞれ
  z変換したものをとする

  このとき,出力と入力の比
   
  でシステムを表現する

  すなわち,システムの入出力の関係を
   
  で示すことができる

  このとき,をシステム関数あるいは
  伝達関数という

  システム関数をブロックの中に書き込むことにより
  システムをブロック線図(p.43)で表現できる

  システム関数は,一般的にの多項式の比で
  表される

  は信号系列をサンプリング時間だけ遅延
  させることに相当する


 システム表現の例

  システム関数は以下のように表されるとする
   

  入力と出力のz変換をとすると
  出力
   
  となり
   
  と書き直せる

  ここで,左辺は,という
  信号系列での和で表すことができる

  したがって
   
  と書き直せば,これをもとにブロック図が
  描ける

  ブロック図には,加算器,遅延要素,係数乗算
  の3つの要素がある


 FIRシステム

  単位インパルスに対する応答が有限個で
  消滅するシステム

  の有限項からなる多項式で表現される

   

   

  出力側からのフィードバックがないということで
  非再帰システムともいう


 IIRシステム

  単位インパルスに対する応答が無限に
  続くシステム

  の無限項で表現される

   

   

   

  出力の過去の値がフィードバックされている
  ということで再帰システムともいう