シミュレーション工学

Nr. 6





小堀

「連続系シミュレーション」

1.連続系シミュレーションの概要


アナログコンピュータでの技術の継承
 制御系の解析
 ブロック線図による表現
解析対象:
 制御系,化学プロセス,航空機,電力プラント,生態系,薬の投与など
ディジタルアナログシミュレータ:
 連続変化モデル
 微分方程式→差分方程式の刻時を細かくする(微小等時間隔)
入力形式:バッチ処理→対話型
モデルの記述:ブロック線図→状態方程式
出力形式:数値印字→プロッタ出力→グラフィック表示
汎用大型計算機→ワークステーション→パソコン

2.CSMP(Continuous System Modeling Program)


1967年にIBMで開発
CSMP III 対話型,出力機能の強化
FORTRANベースのシミュレーション言語
記述例:(p.13図1.10)

[IMAGE image/sim6-1.jpeg]
A:加速度 (),V:速度(),F:力
*:乗算,/:除算,INTGRL:1階積分,X0Xの 初期値
パラメータ:いくつかのうち1つだけ複数の値を指定できる
積分法:オイラー法など数種類を指定できる
言語処理方式:(p.43 図3.2)
 プリコンパイラですべてFORTRANソースプログラムに変換しコンパイル
 リンケージエディタでFORTRAN関数やCSMP関数をリンク
 オブジェクトプログラムを作成し,実行
 FORTRANの文を自由に挿入できる
 手続き言語なので,値が決定できる順に並び替えてから実行


3.DYNAMO(DYNAmic MOdel)


システムダイナミックスにより作成されたモデルで
シミュレーションを行う言語

システムダイナミックス:
 社会システムを定量的に分析する方法論
 システムの中で発生する対象が,情報の正または負のフィードバックループ
 による制御を受けていると想定
インダストリアルダイナミックス:
 企業競争モデル,経営モデルによりシミュレーション
アーバンダイナミックス:
 企業ベースを都市や地域計画に拡張
ワールドダイナミックス:
 地球全体の人間の行動を対象
 人口,資本投資,天然資源,汚染,農業資本の5つの状態変数で記述

4.ACSL(Advanced Continuous Simulation Language)


アメリカMGAが設計,開発,1975年に製品化
制御系の設計とシミュレーションの機能を持った言語
非線形で複雑なシステムをシミュレーション可能
ワークステーションやパソコンでも利用可能
CSSLの仕様に準拠:
 ・FORTRANをサブセットにした言語
 ・グラフィック形式など多様な表示
 ・広範な数値解析(積分アルゴリズムが豊富)
 ・強力なマクロ言語機能

最新の機能:
 不連続な現象もモデル化できる
 代数的に拘束された微分方程式も解析できる
 グラフィックス上で入力,変更可能なグラフィックモデラ(ACSL/GM)が
 ある

関連ソフトウェア:(p.55 図3.12)
 MATLAB
  行列計算,制御系の設計,グラフィックスなどの機能を持つ
  ACSLとのインタフェースがあるので結果を受け取る
 PROTOBLOCK
  モデルをブロック線図を用いて対話形式で作成する
  ACSLで用いるソースコードも生成する

参考文献
 「特集 シミュレーション技術の最近の動向」,情報処理(情報処理学会誌)
  Vol.37,No.3 (1996)より,
 土田:「連続型シミュレーション言語ACSLの概要」
 熊澤:「動的シミュレーションソフトウェアMATLAB/SIMULINK」


講義概要に戻る