シミュレーション工学

Nr. 8





小堀

「オンラインシミュレーション」

1.オンラインシミュレーションの概要


オンラインの意味
 モデル作成,変更,計算結果の評価とそのモデルへのフィードバックなどが,
 直接的に行われる形態
 実行過程を監視し,必要に応じて,手直しが行える

必要な機能
 ・随時シミュレーションを中断し,再開できること
 ・シミュレーションの進行状況を表示できること
 ・随時プログラムやデータの変更,訂正が可能であること
 ・シミュレーション中断以前の時刻から再開できること

他の技術との関連
 リアルタイムシミュレーションとは不可分の関係
  シミュレーションゲーム
  訓練用シミュレータ

 ビジュアルシミュレーション,インタラクティブシミュレーションともいう
  人間と計算機の密接な協調をベース

 コンピュータグラフィックスの援用は不可欠
 オブジェクト指向言語とも不可分

歴史
 1964年 PACTOLUS
  連続系のシミュレータMIDASをオンライン化
  アウトプットを見てインタラプトをかけ,修正する
 1964年 OPS-3
  離散系のシミュレータのオンライン化
  実行中でもアクティビティの計画や削除が行える

 いずれも高機能のグラフィックシステムがなかった
       ↓
 グラフィックインタフェースの発展
  グラフィックディスプレイ
  3次元CG

問題点
 ・3次元モデルの写実的描画は,予想以上のロードがかかる
 ・アニメーション付きのシミュレーションはロードに見合う効果が
  出しにくい
 ・シミュレーションにおいて,現実の動きに完全に合わせるのは難しい


2.SIMFACTORY II.5


生産工程を対象としたオンラインシミュレーションツール
SIMSCRIPT II.5 により開発

生産工程を生産部署(station)と部品の流れとそこにできる待ち行列の集合
としてとらえる
操作や加工は各stationにおいて部品に対して行われる
搬送機やコンベヤが部品の移送に使われる

モデル作成はグラフィックインタフェースを使い,マウス操作で実行
ダイアログボックスと呼ばれるフォームを用いる

[IMAGE image/sim8-1.gif]
Station Dialog Box の例

レイアウトメニューにより各種フォームを表示し,必要な箇所にデータを
挿入すれば,自然にモデルが構成される

コントロールメニューにより,シミュレーションの開始,再開,表示速度の
調整,ブレークポイントの設定,中断,終了,モデルの検証などができる

3.QUEST


工場内の設備稼働状況,物流システムの分析評価を行うためのオンライン
シミュレーションツール,3次元グラフィックシステムを用いている

4.ARENA


汎用シミュレーション言語 SIMAN / Cinema をベースに開発
テンプレート中のモジュールを画面上に配置し,データを入力するだけでモデ
ルの作成,アニメーションの作成ができる
シミュレーションの各段階におけるサポート機能がある

参考文献
 中西俊男著:「シミュレーション」,コロナ社(1993)
 「特集 シミュレーション技術の最近の動向」,情報処理(情報処理学会誌)
  Vol.37,No.3 (1996)より,
 日比野:「統合型シミュレーションフレームワークARENA」


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